SSブログ

メドゥサ、鏡をごらん [小説(その他ミステリー)]

井上夢人の『メドゥサ、鏡をごらん』を読み終わりました。
たった今。

メドゥサ、鏡をごらんホントは明日…というか、一眠りしてからブログに書こうと思ったんだけど、
すんごい、すんごい、こわかった…!!
ので、ブログを書いて、
少し落ち着いてから寝ようと思います。

解説(文庫版)によれば、この本のジャンルについてはいろいろ議論があるようですが、
いちおうあたしとしては「本格以外のミステリー」に位置づけてみました。
だって
あたしにとっての「本格」とは、
唯一無二の探偵(探偵が複数いるのはイヤ)と、
すべてがリンクする華麗なる謎解きと、
それによって明らかになる疑いようのない犯人あるいはトリック…
という3つの要素からなっています。
この作品はその条件のうち2つが該当しない…ものの、
あれだけごちゃごちゃとした現象が、
最後にメビウスの輪のように、ひねりをまじえつつ(ここ大事!)、つながっていく様子は、
「SF」ってジャンルにしちゃうにはもったいない!
…というわけで、「本格以外のミステリー」です。

にしても、
この世界が揺らいでいく感覚、
自分が信じられなくなる、というか、時間軸も空間軸も信じられなくなる感覚、
そして現実と虚構の区別が曖昧になる感覚…。
『ドグラ・マグラ』を初めて読んだときの衝撃と同じ!
というより、むしろ、
現実と虚構のぐるぐる加減が多いぶん、
今回の方が、
すべてのことが不確かになる感覚…が、より強かったかも。

あたしはミステリーを好きでよく読むのだけど、
ミステリーには、今回の本のように、
既成概念を突き崩す力がある、
(ものがある)。
ふつうの小説ではありえないくらいの、強い、というか
いっそ暴力的な、力。
小説なんて、言ってみれば、ただの文字の羅列なのであって、
それなのに、そんな強い力をもち得るところが、すごい。

というわけで、
少しずつ気持ちも落ち着いてきたことだし、
そろそろ寝ることにします。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

エミリー結婚の社会学 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。