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津軽 [エッセイ]

前の記事と太宰つながりで…
太宰治の『津軽』を読みました。

『津軽』(画像なし)
新潮文庫/1951.08/¥400。

太宰の小説は、大人になってから何冊か読んでいるけれど、
エッセイは初めてです。
で、読んでみて…

太宰のファンになりました(笑)。

あたしは津軽が好きなんです。
あたしが今まで行ったこと・住んだことのある地域の中で、一番好きなんです。
ほかの地域の人には全然通じない、その方言も、
標準語をしゃべっても微妙に出てしまう、その奇妙なアクセントも、
賑やかで気さくで、お人好しで、でも短気な、その人柄も
(↑ これはステレオタイプだけど、あたしの知ってる津軽人の多くはやっぱりこういう人)、
キレイだったり、もの悲しかったり、懐かしかったりする、その風景も、
全部好きです。

で、『津軽』は、
津軽のイイところはイイままに、
奇妙なところは、そこが愛すべき対象であるかのように、
とても魅力的に描かれています。

とくに、pp.69〜74にかけての、
「Sさんの接待」と、それに関する太宰のコメントは、
もう、ホントに、腹を抱えての大爆笑。

あの気持ち
…っていうのは、接客される側の焦った気持ちと、
接客される側のうれしいんだけど戸惑う気持ち、
どちらの気持ちも、
あたしにもすごい覚えがあります。
懐かしくて、愛おしい風景。

で、
そういう小さなこと(だって、津軽にいれば、それは普通の日常風景)のひとつひとつが、
丁寧に描かれている『津軽』は、
太宰の津軽に対する愛着が感じられる、イイ本です。

あたしはこの本を読んで初めて、
「郷愁」って言葉の意味が本当にわかった気がします。


<追記>
でも、津軽を知らない人にとって、この本がどれだけおもしろいのかは…
正直、よくわかんないです。
津軽はあたしにとっては「故郷」だから。
いまいち客観的な判断が。。。
タグ:純文学
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