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ぶらんこ乗り [小説(ミステリー以外)]

いしいしんじの『ぶらんこ乗り』を読みました。

ぶらんこ乗り裏表紙には「動物と話ができる」男の子、と書いていて、
あたしはホントは、現実的ではないお話(童話みたいな、絵本みたいな、SFみたいなもの)は
あまり好きではないのだけれど、
パラパラと立ち読みをしてみると、
一文一文の短くて気持ちのいいリズムと、
最初のシーン(大人が小さな子どもにノートを買い与え、子どもははしゃぐ。
でもじつは「そんなでもなかった」という子どもの記述)が気に入って。

で、全体をとおしてあたしが感じたのは、
一言で言えば「不穏」。
なんだか、穏やかじゃない。
自分の足場が揺れる感じ。

少し話は飛ぶけれど、
今年、「新潮文庫の100冊」はネットで自分が読んだ本や、
その本に関する簡単な感想をスタンプにして登録できるようになっている。
そして他の人がその本に対してどのスタンプを押したのか、集計した結果も見れる。
で、『ぶらんこ乗り』。
あたしは本全体の雰囲気に呑まれて「落ち込んだ」というスタンプを押したのだけど、
「落ち込んだ」というスタンプの約10倍、「感動した」というスタンプが!

たしかに「最後のおはなし」は感動…とも言えなくもない。
でも、感動というよりは、もっとなんか曖昧な気持ち。
む〜…。

本を読むといろいろな感情がごちゃごちゃになる。
だから、いつも感想は曖昧で(だから感想文なんかは苦手なんだけど)、
でもその曖昧さがイイ。
曖昧でごちゃごちゃだっていうことは、
自分にとって意味がある(何か引っかかる)ことがたくさんだってことだから。

というわけで、あとで
いしいしんじの他の本を買ってこよう。


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