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日のあたる白い壁 [その他]

江國香織の『日のあたる白い壁』を読みました。

画像はないですが、書誌情報はこちら
↓↓↓↓↓
集英社文庫/2007.06/¥552

27人の画家の作品に対する、
江國香織のいろいろな想いをつづったエッセイ集。


いきなりですが、
通常、大学院卒というと、すごく頭のよい人間、
あるいは、すごく教養がある人間であるように思われます。

が、少なくとも、あたしに関して言えば、全然そんなことなくて、
むしろ、一般的な「教養」は、ほとんどないんじゃないかと思います
(他者評価との食い違いが大きいので、若干コンプレックスです)。
クラシック音楽なんか全然わかんないし、
絵画だって、なにがおもしろいんだか、全然わかんない。

それに対して、
江國香織は、クラシックにしろ、絵画にしろ、映画にしろ、本にしろ、
文化的な香り(?!)のするものをすごく幅広く嗜んでいて、
すごく教養がある、と思う。
かっこいいなぁと思います。

とくに、絵画の鑑賞っていうのは、
あたしの中では、音楽や映画や本とはちょっと違う感じ。
わざわざ美術館に行かなきゃいけないわけだし、
音楽や映画や本ほど、日常的に接するのが容易じゃない気がする。
そして、美術館に気軽に行くのって、
小さい頃から、そういう機会に恵まれていないと
(美術館が、かなり身近なものになっていないと)
なかなかできない気がする。

さて、それで、『日のあたる白い壁』ですが、
前述したとおり、あたしは絵画に対する興味も教養もないので、
当然ながら、全然知ってる絵はなく…。

でも、絵画を見て楽しむことのできる人が、
何がおもしろくって絵画を見るのか、ということはよくわかって、
けっこうおもしろかったです。

それに、こうして、タイプの違う画家をたくさん挙げてもらえると、
1枚くらいは、
絵に興味のないあたしにも、好きな絵ができたり。

一番気に入ったのは、ユトリロの「雪の積もった村の通り」です。
なんか、静かだし
(あたしが絵画がキライな理由の一つは、色がたくさんあって騒々しいから)、
こっそり楽しげだし、
あったかそう。

そしてなにより、あたしは単純に、雪が好きなんです。
地元を思い出すし、
子どもの頃を思い出す。

江國香織が好きな絵の、その好きな理由も、
果物が好きとか、姉妹が好きとか、なんか、意外と単純だったりして、
ちょっとびっくり。
それじゃあ、あたしと変わんないじゃん、みたいな。

絵、それ自体を見る、というよりは、
絵をとおして、自分にまつわるいろいろなことを見る。
江國香織のこの本を読んで、
絵の楽しみ方って、そういうとこにもあるんだなぁ、と実感。


タグ:江國香織
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