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ぬるい眠り [小説(ミステリー以外)]

江國香織の『ぬるい眠り』を読みました。

ぬるい眠りやっぱり一番注目なのは「ケイトウの赤、やなぎの緑」。
『きらきらひかる』の10年後。
『きらきらひかる』は大好きなので、
帯に
「『きらきらひかる』の十年後を描く作品などを含む全9編」
って書いてあるのを見たときから、
すんごい楽しみしてたのです。

で、感想は…、うん、そうかもなぁって感じ。
そうなるかも、って感じ。
でも結構好きです。
なんていうか、小説に限らず、物語って、
その物語の終わりと同時に終わってしまう感覚があるけれど、
…や、違うか。
もしその物語に続きがあるとしても、
その物語の終わりの雰囲気を残したまま続いていくのではないかという感覚があるのだけれど、
やっぱり現実であれば、どんなハッピーエンドでも、そうでないエンドでも、
日常が続いていくわけで、
日常っていうのは、常にいいことと悪いことが繰り返しなわけで、
そうであるのならば、
笑子と睦月と紺くんの日常は、そうやって続いていくんだなぁって。

で、話は変わって。
一番気に入ったのは「災難の顛末」。
江國香織には珍しい…と思うのだけど、
なんだかドロドロ感たっぷりで好きです。
自分、自分、自分、って感じが。

そしてまた話は変わり。
今回、読んでて思ったのだけど、
あたしが江國香織の書く小説が好きなのは、
もちろん、文章のセンスが好きだということもあるのだけれど、
それよりなにより、たぶん、その「終わってる」感が好き、みたい。
なんていうか、「もうそれ以上進めない」、「行き着くとこまで行き着いた」みたいな。
それでいて、引き返すことも出来ない。
そういう感じ。
ある種、病的。
で、そこが好き。

恋愛って確かに、そういう側面があるのかも、と思わせる。
世界が閉じているから、進んでも進んでも深みに嵌っていくしかない、
で、最終的にはそれ以上どこにも進めない、っていう、そういう側面。

ちなみに、だから江國香織の作品の中での、
あたしの一番のお気に入りは『ウエハースの椅子』です。
これはホントに、救いがないくらい「終わっていて」、そこが好き。

ただし、江國香織の作品は、やっぱりそうはいっても、
たいていの場合は、終わっている世界からの出口が用意されているのだけれど。

というわけで、
なんだか今日はまとまらないまま、箇条書きっぽい感じでおしまいです。


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