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反自殺クラブ [小説(ミステリー以外)]

これもやっぱりだいぶ前に読んだのだけど…。

石田衣良の『反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパークⅤ』を読みました。

反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパーク5 (文春文庫 い 47-9)文春文庫/2007.09/¥495。

石田衣良の本は、恋愛ものは微妙なんだけど、
IWGPシリーズは好きです。


いつもどおりの短編集で、
今回は、「スカウトマンズ・ブルース」、「伝説の星」、
「死に至る玩具」、「反自殺クラブ」の4本。

全体的に、シリーズの他の本よりおとなしめな感じで、
物足りない感。

でも、最初の「スカウトマンズ・ブルース」はおもしろかったです。
「伝説の星」は…ふつう。
そのあとの2つは、啓蒙的…というか、啓発的というか、
そういう要素が強くて、あまり好きではないです。

石田衣良はやっぱり、
どっかの受け売りちっくな、型どおりの「イイこと」を言おうとするところが微妙。

それに素直に感動する人もいるのかもしれない…というか、
おそらくいるんだろうから、
それはそれで別にいいのだけれど。

受け売りっぽい言葉って、なんだか、
妙に浮っついた感じで、とってつけたような感じで、
あたしはあまり受けいれられません。

それに、うまい作家っていうのは、
そういう言葉を直接書かなくても、読者に伝えられるのではないか、とも思います。
しかも、直接書かないだけに、
読者自身が考えたり悩んだりしなくちゃいけなくて、
そっちの方がよっぽど、本を読んだ意味があるのじゃないか、と思います。

石田衣良のような書き方は、
読者にあらかじめ、問題に対する(作家の考える)解答を与えている感じで、
あまり好きじゃない。
なんか、読者の考える力を軽視してるように見えるし、
下手すると、自分の考えの押しつけみたいに見えて
(しかも、その「作家自身の考え」は、どっかから借りてきたような、紋切り型…)。

あたしの石田衣良に対するイヤな感じっていうのは、
そういうあたしの勝手な「うまい作家」像にあるんだろうなぁ
…とちょっと内省してみたり。


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