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I LOVE YOU [小説(ミステリー以外)]

伊坂幸太郎、石田衣良、市川拓司、中田永一、中村航、本多孝好による
『I LOVE YOU』を読みました。

I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)祥伝社文庫/2007.09/¥600。

作者を見てわかるとおり、オムニバス。
初めて読む作家が3人(市川拓司と、中田永一と、中村航)いたので、
おもしろくなかったらどうしようと思っていたのですが、
総じて、かなりおもしろかったです。


断然、印象的なのは、伊坂幸太郎の「透明ポーラーベア」。
よくよく考えると、それは笑えないだろう…っていう話なのに、
なんだかふつうに、和やかな気持ちで読めるのが不思議。
シロクマの毛が実は透明って、ホントなのかなぁ…?

次の、石田衣良の「魔法のボタン」は…。
いつもどおりの、石田衣良の恋愛もの。
性別ステレオタイプが目立ちます。

次は、市川拓司の「卒業写真」。
これは結構好き。
ラストはありきたりだけど、
ひとつの勘違いをとおして、コミュニケーションが進行していく、
その過程がおもしろかったです。

次は、中田永一の「百瀬、こっちを向いて」。
他の話に比べると、
ドロドロしてるし、ちょっと怖いんだけど、
でも、結構好きです。
ホオズキの花言葉なんて初めて知った…。
(てか、ホオズキって、花なのか…?)

次が、中村航の「突き抜けろ」。
これは伊坂幸太郎と並んで、おもしろかったです。
あたし好み。
よくわかんないまま、友達の先輩の家に通うことになって、鍋を囲んで、飲んで。
よくわかんないまま、ケンカして、富士山に行って。
なんだか、よくわかんないけどおもしろそうだなぁと。
よくわかんないまま振り回され続けたわりに、
きっと大人になっても忘れられない思い出になるんだろうなぁと。

最後は、本多孝好の「Sidewalk Talk」。
本多孝好は、まぁまぁ好きな作家です。
んで、これもまぁまぁ。
ストーリーはありきたりだけれど、
なんだか爽やか
(本多孝好の文章は、その爽やか…というか、軽やかな感じが結構好きです)。
『I LOVE YOU』というタイトルの本の最後が離婚の話っていうのもまた、
なんていうか、少し感慨深い(笑)。


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