I LOVE YOU [小説(ミステリー以外)]
伊坂幸太郎、石田衣良、市川拓司、中田永一、中村航、本多孝好による
『I LOVE YOU』を読みました。
作者を見てわかるとおり、オムニバス。
初めて読む作家が3人(市川拓司と、中田永一と、中村航)いたので、
おもしろくなかったらどうしようと思っていたのですが、
総じて、かなりおもしろかったです。
断然、印象的なのは、伊坂幸太郎の「透明ポーラーベア」。
よくよく考えると、それは笑えないだろう…っていう話なのに、
なんだかふつうに、和やかな気持ちで読めるのが不思議。
シロクマの毛が実は透明って、ホントなのかなぁ…?
次の、石田衣良の「魔法のボタン」は…。
いつもどおりの、石田衣良の恋愛もの。
性別ステレオタイプが目立ちます。
次は、市川拓司の「卒業写真」。
これは結構好き。
ラストはありきたりだけど、
ひとつの勘違いをとおして、コミュニケーションが進行していく、
その過程がおもしろかったです。
次は、中田永一の「百瀬、こっちを向いて」。
他の話に比べると、
ドロドロしてるし、ちょっと怖いんだけど、
でも、結構好きです。
ホオズキの花言葉なんて初めて知った…。
(てか、ホオズキって、花なのか…?)
次が、中村航の「突き抜けろ」。
これは伊坂幸太郎と並んで、おもしろかったです。
あたし好み。
よくわかんないまま、友達の先輩の家に通うことになって、鍋を囲んで、飲んで。
よくわかんないまま、ケンカして、富士山に行って。
なんだか、よくわかんないけどおもしろそうだなぁと。
よくわかんないまま振り回され続けたわりに、
きっと大人になっても忘れられない思い出になるんだろうなぁと。
最後は、本多孝好の「Sidewalk Talk」。
本多孝好は、まぁまぁ好きな作家です。
んで、これもまぁまぁ。
ストーリーはありきたりだけれど、
なんだか爽やか
(本多孝好の文章は、その爽やか…というか、軽やかな感じが結構好きです)。
『I LOVE YOU』というタイトルの本の最後が離婚の話っていうのもまた、
なんていうか、少し感慨深い(笑)。
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