BG、あるいは死せるカイニス [小説(その他ミステリー)]
石持浅海の『BG、あるいは死せるカイニス』を読みました。
石持浅海の本は初めてです。
なんてゆーか…、
想像力がない作家だなぁと。
裏表紙には「前代未聞の舞台と驚愕の真相!」って
書いてあるんだけど、
…えぇ〜〜〜。。。
どこが?
説明してほしい。
「前代未聞の舞台」っていうのは、
「仮に人間が性転換する種だったとしたら」という前提の人間社会。
うん、これはおもしろそう…と思って買ったんだけど。
ぶっちゃけ、ないわ〜…。
人間が性転換するっていうこと以外は、
ほぼすべて、現実の人間社会と同じ。
性転換するのに、異性愛にもとづく結婚制度って…。
性転換するのに、現実の社会と同じ性別規範って…。
うんざりする。
「性転換する」ことが前提なら、
社会はもっと全然違うものになっていていいハズ。
…っていうか、なっているハズ。
あまりに想像力がなさ過ぎる。
そして、不勉強。
性別をテーマにして書くには、
人びとが性別をどのように意味づけてきたのかとか、
性別をどのように取り扱ってきたのかとか、に関する知識がなさすぎる。
ここ数十年かけて、
さまざまな分野の研究者たちが明らかにしてきたことを無視しすぎてる。
社会は常に、それまでの歴史の結果として現れ出るものなのに。
人間が性転換をするということは、歴史がすべて変わる、ということなのに。
そんな社会が、今ある社会と同じ社会なわけないじゃん。
…とまぁ、言ってみたものの、
性別っていうものは、あたしたちの生活と密接に関連しすぎていて、
全然違う社会なんて、おそらく誰にも想像できないんだとも思うけど。
ただこの人はなぁ…、努力の欠片もなさ過ぎる。
そして、
それでも、「驚愕の真相」がホントに驚愕だったら、まだマシだったんだけど。
どこに驚愕していいかわからないよ。。。
校長先生の年齢?!
なんてゆーか…残念な結果です。
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