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サウスバウンド [小説(ミステリー以外)]

本とは関係のない話ですが、パソコンが新しくなりました☆
MacBook OS10.5♪
ここ2週間くらいは、前のiBookからのデータ移行や、新MacBookのいろんな設定、
Microsoft Officeが新しくなったので(2008 for Mac)、その使い試しなどをしてました。

で、今週ようやく、すべてをあたし仕様に仕上げたので、
晴れて、久々のブログ更新です。

で、そのパソコンの設定やら、今年度の研究計画書作成やらで、
最近あんまり本は読めてないんだけれど、
先月中に読んで、まだブログに書いてない本が数冊あるので、まずはそれを。


とりあえず、奥田英朗の『サウスバウンド』から。

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)上:角川文庫/2007.08/¥552。
下:角川文庫/2007.08/¥514。

上巻・下巻を一気に読みたくて、
1日中ひまな日に読もうと思っていたら、
いつのまにやら半年以上も…。

というわけで、最近、ようやく読んだこの本。
やっぱり奥田英朗は好きです。
元気が出る。

前にも書いたけど、奥田英朗の本は、
一般的には「逸脱的な」人びとが、とても魅力的に描かれていて、
読んでる人に、
世間のジョーシキから少しくらい外れたって別にいいじゃん、問題ないじゃん、
と思わせるところが好きです。

『サウスバウンド』に出てくる、主人公のお父さんも、
「ふつーの」お父さんみたいに会社で働いたりしないし、
元過激派で(今でも十分過激だけど)、
何かあるごとに「官が」「体制が」とか面倒くさいことを言う、
「ヘンな」大人です。
たぶん、周りにいたら迷惑。

でも、
ちゃんと自分の頭で考えることを知っていて、
正しいことと正しくないことを、ちゃんと自分で判断できる人です。

そのさい、
「正しいかどうか」の基準が、本当に「正しいかどうか」は問題じゃなくて、
どうして正しいと思うのか、どうして正しくないと思うのか、
その根拠をきちんと考えて、論理的に説明できることの方が重要。

っていうのは、
根拠を説明できるということは、
自分の価値観とは反対の価値観をもっている人とでも対話が可能だということ、だと思うから。
そして、万一、衝突したばあいであっても、話し合いで解決することが可能だと思うから。

あたしの拙い経験上、話し合うのが一番厄介な相手というのは、
「だってそういうものだから」「だってみんながそうしてるから」っていう、
根拠にならない根拠を述べて、それ以上ものごとを考えることを拒否する人びと。

根拠にならない根拠は、単なる思いこみです。
あるいは、あたしの指導教員の言葉を借りるなら、単なる「妄想」です。

で、たいがいのばあい、「理論は妄想には勝てない」(これも指導教員の言葉)。
なぜなら、そもそも、相手には話を聞く気がないから。
自分の「妄想」を守ることが最重要課題だから。
そして決定的なことに、論理と妄想は、端から同じ土俵に立っていないから。


…と、なんだか面倒くさい話になりましたが、
要するに、
『サウスバウンド』に出てくる、主人公の「お父さん」は、
たしかにある種の価値観を、あるいは信念をもっているのだけど、
その根拠をきちんと論理立てて考えることのできる人で、
そうであるがゆえに、常に、相手の話を聞く準備ができているし、
対話が可能な人、なんだろうなぁと。

ただ、この本では、不幸なことに、
「官」として出てくる登場人物たちはみんな、根拠のない根拠しか述べられず、
話し合いが成立しないため、暴力による解決が図られるのだけど。


早く、みんながちゃんと対話のできる社会になればいいのに。。。
物事をきちんと考えることのできる人が、きちんと尊重される社会になればいいのに。。。




なんて、
ふだんの研究の鬱憤を、こんなところで晴らしてみたり。

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