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少年たちのおだやかな日々 [小説(ミステリー以外)]

多島斗志之の『少年たちのおだやかな日々』を読みました。


少年たちのおだやかな日々 (双葉文庫)双葉文庫/1999.08/¥476。
短編7作。

…ホラー?

帯に「怖い! イタい! 後味最悪!」って書いてあって、
それを見たのに買っちゃうあたしもあたしだけれど、
だから、自業自得なんだけれど、
にしても…。
まさに、「怖い! イタい! 後味最悪!」でした。

とはいえ、
あたしにとって「怖い! イタい! 後味最悪!」なのは、
3作目の「罰ゲーム」だけです、実は。

あたし、小説の中で人が死ぬのは全然抵抗ないのだけれど
(昔からミステリーばっかり読んでるし)、
拷問ちっくなのは全然ダメです。ホントにダメです。
痛いのはイヤ。

で、7作中6作は、とくに怖くもイタくも後味最悪でもないのに、
「罰ゲーム」のインパクトが強すぎて…
なんか全体的に、やっぱり「怖い! イタい! 後味最悪!」って印象。


さて、で、ほかの6編はというと。

一番好きなのは、6作目の「嘘だろ」です。
なんか、ダークな感じが好き。

あと、4作目の「ヒッチハイク」は、
ミステリーっぽくて好き。

5作目の「かかってる?」も、
ミステリーっぽい雰囲気だけど、これはいまいち。

1作目の「言いません」と、7作目の「言いなさい」は、
ありがちな展開。
こういうパターン、小説にはよくあるよね、的な。

2作目は…、とくに何の感慨もなく。
敢えて言えば、
「兄が…」とか「復讐が…」とか言い続ける女の子が結構うざい。
呪いとかまじないとか、占いとか、ジンクスとか、
あたしは完全に信じない派です。

というわけで、「罰ゲーム」以外の6作中、
2作目以外は、全部おもしろかったです。

ところで、これを読んで思ったのだけど、
世の中では、子どもは純粋・無垢なキレイな存在、みたいに語られることが多いけど、
そして、少年少女が主人公の小説は、美しい青春小説、みたいなのが多いけど、
子どもって案外、残酷で、狡賢くて、姑息で、卑怯で、えげつない…気がします。

みんながみんなそうだとは言わないけど。
少なくともあたしは、自分が子どもだった頃、そういう子どもだった、ように思います。

てか、自分が大人になってみて思うのだけど、
昔、大人っていうのは、なんでもできる、すごい人だと思っていて、
でも、実際に大人になってみると、そうでもなくて。
知識はたしかに増えたし、経験値も増えたけど、
気持ち的には、子どもの時からそんなに成長していなくて。
だったら、
子どもはホントは、大人とそんなに変わらないのかな、と思ったり。

大人と同じくらい、キレイな部分も汚い部分ももっている、
ただの、ふつーの人間。

「子ども」っていうのは、所詮、社会的な構築物。
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