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すきまのおともだちたち [小説(ミステリー以外)]

最近、超忙しいです。
そして7月も忙しい予定。。。
5月から11月は学会&論文シーズンだからなぁ…。

というわけで、
最近はあまり本を読んでいないのですが、
このままだとうっかり8月までブログを書かないという事態になりかねないので、
とりあえず、ブログにまだ書いていない本の中から、感想を。
(今日は飲み会帰り(学会の打ち上げ)で、もう眠いので、短めに)


江國香織の『すきまのおともだちたち』を読みました。

すきまのおともだちたち (集英社文庫 え 6-10)集英社文庫/2008.05/¥552。

あたしが初めて江國香織の本を読んだのは、
『ホテル カクタス』なのですが、
それと似た雰囲気。

そして、
『ホテル カクタス』では、数字の2が登場するくらいなのだから
(あれは衝撃的だった…)、
それに比べればまだ普通なのに、
『すきまのおともだちたち』で
お皿が運転することにまたしても驚かされる。。。

あたし、学習能力ない…
というか、だいぶ頭固いんだなぁと実感。

そして、同時に、江國香織の頭の柔らかさにびっくり。


ストーリーは、…ふつう?
や、全然「ふつう」じゃないけど。
なんていうか…。

不可思議な街に迷い込んだ主人公と、
そこで主人公が出会った小さな「おんなのこ」と「お皿」の交流を
淡々と描く小説。

「ふつう」って言ったのは、
(世界を移動するところは非日常的なのに)
「おんなのこ」の世界に移動したあとは、なんだかあまりにも淡々としていて、
なんだかものすごく日常的な感じを受けたから。

非日常的な情景なのに、日常的な雰囲気。
なんだか、とても「ふつう」。

ヘンな小説。
でもイイ小説。

あ〜…なんだかうまく伝わらない。。。
読んだことない人には、たぶんすごい意味不明な感じだろうけど、
でもきっと、読んだ人にはなんとなく伝わる! …はず。


んで、そういう不思議な雰囲気にプラスして、
「おんなのこ」がすごく魅力的です。
セリフ廻しが、すごくイイ。

とくに気に入ったのは、
「小さなおんなのこっていうものはね、たいていのことはよく知っているものなのよ。
 でもやったことはないの。当然でしょう?」(p.72-73)
「おとこのこっていうものはね、しょっちゅう厄介なことをやらかすものだけれど、
 死んだりはしないものなのよ」(p.82)

あたし、
ステレオタイプ、とくにジェンダー・ステレオタイプは
全然好きじゃないのだけれど、
これはなんか、全然抵抗がない。
というか、むしろ納得?
「確かに」って、ちょっとニヤニヤしちゃいました

こーゆーところが、江國香織の言葉の魔力だなぁと思う。

そしてもうひとセリフ。
(「ここは変わらないわね」という主人公のセリフに対し)
「そりゃあそうよ。世界だもの。世界は確固たるものでなきゃあ」(p.113)

これも「そうか〜、確かになぁ」と思わせる。

や、理性的には、
世界は常に変化し続けているし、
これからも変化し続けなくてはならないし、
確固たる世界なんてありえない、と思うんだけど。
世界は常に不確実なものなんです。

でも、江國香織の言葉には、
そうした信念を覆して、「そのとおりだ」と思わせる力がある。
すげぇなぁ。

きっと、江國香織の言葉は、理性ではなく、
ヒトの感性(感受性?)に適合した言葉なんだろうなぁ。。。


…と、「今日は短く」と言ったのに、全然短くないや。
でも、とりあえずこの辺でやめとこう。
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