エミリー [小説(ミステリー以外)]
嶽本野ばらの『エミリー』を読みました。
短編集です。
あたしはアートにもファッションにも興味がないのだけど
(だから、それぞれの小道具がどんな役割を果たしているのかもよくわからないのだけど)、
この本はおもしろかった!
美意識。
あたしは独自の美意識をもっていて、それにしたがって生きている人の話が好きです。
だって、そういう人は強いもの。
あたしはふだん、とてもぼんやりしているので、
周囲に流されるまま、それとは気づかずに
自分の価値観(←たぶんこれは美意識と同じだと思う)と反することをしてしまったりします。
そして、堪え性がない…というか、踏ん張りがきかないたちなので、
自分の価値観にしたがって行動しようと思っても、
周囲の圧力にあっさり屈してしまうことがあります。
だから、
自分だけの価値観をもっていて、それにしたがって生きている人は
本当に強いと思う。
かっこいい。
そしてあたしは、つねづね
そういう人たちとあたしとの違いはなんなのかしらと考えているのだけど、
『エミリー』を読んで少しわかった気がします。
たぶん、確固とした、揺るがない支えがあること。
あたしの支えとなるもの、に対するあたしの信じ方、とは覚悟が違う、気がする。
あたしは信じる対象に対しても、たぶんまだ迷いがあって、
だからそんなに強くなれない、のかなと思います。
…と、ここまで書いていて、
そういえば、昔読んだマンガなんかでは、よく
「信じる強さ」って言葉が使われてたことを思い出しました。
何かを信じることができれば、強くなれる。
でも、その何かを信じること自体が、すでに強さなのかも…。
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